一般的に、組織の認証や評価ということになると、ガバナンス面、あるいは会計面を中心にみることが多いのですが、この評価基準のポイントは、次のような三つのテーマを持っていることです。

それは、第一に「社会変革性」、第二に「市民性」、第三に「組織の安定性」です。この三つにはそれぞれテーマがあります。「社会変革性」については、課題解決能力をいかに持っているか。「市民性」については、参加ということをテーマに、いかにボランティアや寄付者を参加者としてマネジメントしているか。「組織の安定性」については、持続的であるだけでなく、発展的であるか。そのためには、ガバナンス面もそうであり、収入に関していえば、多様性や規律を持っているか、あるいは人材育成を行っているか、ということになります。私たちはこの三つのテーマをもとにして、32の基準をつくりました。

そして、この32基準をもとにして、自分たちの団体はこの基準を満たしているのかどうか、強みはどこで弱みはどこか、今後の課題は何か、ということを確認するための自己点検項目を100項目あまりつくっています。これを今後、ブックレット等にしていく予定です。

「エクセレントNPO」をめざして頑張ろうとする団体は、いますぐパーフェクトである必要はなく、今後めざしていけばいいわけでありまして、私たちはこうした団体に、「宣言団体」になっていただきたいと願っています。そして、このシートをつかって自己点検をしていただく。このようにエクセレントをめざして努力をする団体について、私たちは見える化をはかっていきたいと思っています。

また、こうした自己点検のプロセスで、それをサポートするしくみ、例えば研修なども行っていきたいと思っています。最終的には、このように質の転化を求めて、良質な活動を求めて努力するNPOをより多く紹介しながら、見える化をはかっていく考えです。そして、市民との距離をもっと縮めていく、強い市民をつくっていくということに、私たちも寄与していきたいと願っています。