エクセレントNPOとは

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目次

  1. エクセレントNPOとは(定義と解説)
  2. エクセレントNPOの3つの基本条件
  3. エクセレントNPO基準体系図と解説
  4. エクセレントNPO基準(34基準)

1. エクセレントNPOとは(定義と解説)

「エクセレントNPO」とは、次のような条件を満たす非営利組織を指します。

「自らの使命のもとに、社会の課題に挑み、広く市民の参加を得て、課題の解決に向けて成果を出している。そのために必要な、責任ある活動母体として一定の組織的安定性と刷新性を維持している。」

 私たちは、日本のセクターNPOの現状に問題意識をもっています。すなわちそれは「NPOは法人数が急増する中で、その設立者、設立目的や活動形態の多様化が進んでいるが、一方で、目指すべき非営利組織像が見えなくなり、何が正しいのか、何が誤っているのかその芯となるものが揺らいでいるのではないか」という問題意識です。

 そこで、私たちはもう一度原点に立ち返り、望ましい非営利の姿を明らかにし、非営利組織がそれを目指して切磋琢磨しあう環境を、市民社会の中に作ろうと考えました。そのために私たちは民間非営利組織論の基本を参照しながら、NPOセクターの現状分析から導かれた課題(下記参照)をもとに、「望ましいNPO像」を考えました。そうして到達したのが、上に掲げた「エクセレントNPO」の定義なのです。

 

2. エクセレントNPOの3つの基本条件

では、この「エクセレントNPO」にどうしたらなれるのでしょうか。

私たちは、エクセレントNPOの定義から、エクセレントNPOになるための次の3つの基本条件を定めました。

 – 「市民性」

 – 「社会変革性」

 – 「組織安定性」

「エクセレントNPO」の定義は日本の非営利セクターが抱える3つの課題から導かれています。

第1の課題は、NPOと市民とのつながりが希薄になっているという点です。

第2の課題は、本来、NPOやNGOに求められた課題の解決力に疑問があることです。

第3の課題は、活動や組織を持続可能なものにどう築いてゆくかという点です。

3つの基本条件は、日本の非営利セクターが抱えるこれらの3つの大きな課題に対応しています。

 

3. エクセレントNPO基準体系図と解説

市民性

「エクセレントNPO」第1の基本条件は、「市民性」です。

「市民性」とは、非営利組織の活動が広く市民に対して参加の機会を提供することをさします。

より具体的にいえば、寄付やボランティアといった様々な形態での組織への参加の募集を市民にわかりやすい形で公開し、かつ、参加してくれている寄付者やボランティアを団体の参加者としてきちんと意識した上で、彼らをマネジメントしていくということです。

これは、多くの非営利組織が主な収入を行政委託や収益活動に傾斜して寄付や会費を集める努力を怠っており、また、ボランティアを集めていない組織が相当数存在していることなど、非営利組織と市民とのつながりが希薄になっているという課題に対応している基本条件です。

 

社会変革性

「エクセレントNPO」の第2の基本条件は、「社会変革性」です。

「社会変革性」とは、社会的な課題に対して、その原因を視野に入れた解決策を提案し、実行することによって、その効果が広く社会に普及してゆき、その結果、人々の生活の質や行動様式が大きく変化していくことをさします。

この基本条件は、長期間その事業や活動に変更がない組織が多く、また中長期の視点を欠いている組織が多いなど、組織の課題解決力に疑問がある、という課題に対応しています。

変革、あるいはイノベーションという言葉を用いるのであれば、その影響は一定の規模や広がりを伴うことになります。この規模に関する定義や基準は存在しませんが、一般に国単位や国境を超えたレベルでの影響がイメージされるでしょう。こうした広範囲な社会的影響には、既存の慣習、既成概念や制度など社会的なシステムの改変を伴うことが多いため、社会的なサービスを提供する活動に加え、アドボカシー活動を行うことも重要になります。アドボカシー活動は政策提言活動と解されることが多いですが、その提言は、政治や行政府機関のみを対象に行うのではなく、広く多くの市民から支持されていることが重要です。

組織力

「エクセレントNPO」の第3の基本条件は、「組織力」です。

「組織安定性」とは、組織の使命、目的を達成するため一定の持続性をもって活動し、一定の活動内容、方法に安住することなく、対象や社会環境の変化を見据えて、不断の見直しをして、創意工夫力や課題発見力を発揮して、活動や組織を刷新していくことをさします。つまり、組織がその持続性だけでなく刷新力をも有しているということをもって、組織力があるということができるのです。

これは、不安定な財政状態をいかに克服するのか、資金調達や活動における規律や倫理性が不足していないか、活動や組織を持続可能なものにどう築いていくか、という課題に対応している基本条件です。

 

4. エクセレントNPO基準(34基準)

「エクセレントNPO」の定義をもとに、NPOやNGOの実践者と研究者とともに長い時間をかけて、作成されたのが「エクセレントNPO」基準[1]です。

まず、基準を作成するにあたり、先の定義から、3つの基本条件を作成しました。それが、「市民性」「課題解決力」「組織力」です。この3つの基本条件を満たすために必要な事項を検討し、具体的な事例と照らし合わせながら、基準を作成しました。

図1は「エクセレントNPO」基準の体系図で、3つの基本条件のもと、どのような基準で構成されているのかを一覧できます。

 

図1「エクセレントNPO」基準体系図

 

エクセレントNPO基準(34)は、次のとおりです。

市民性基準

課題解決力基準

組織力基準

 


[1] 「エクセレントNPO基準」の著作権は特定非営利活動法人言論NPOに帰属します。著作権法により認められる場合を除き、事前に言論NPOの書面による許可を受けずに、複製、公衆送信、改変、切除、ウェブサイトへの転載等の行為をすることは、著作権法により禁止されています。

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